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月刊ササセCOLUMN

院長 笹瀬 晃弘

ササセ皮フ科

院長 笹瀬 晃弘

2025.03.14

光線角化症・・・皮膚の悪性腫瘍

光線角化症・・・皮膚の悪性腫瘍

 老人性角化症、日光角化症ともいわれ、良性の雰囲気がありますが、実は悪性の皮膚腫瘍なのです。表皮内の腫瘍で悪性度は低く、これで致死に至ることはありません。ただ一部のものは、有棘細胞癌に移行して転移することがあります。しっかり診断して治療する必要があります

 日光暴露と加齢が主な原因で、顔や手背に好発します。落屑および痂皮を伴う境界不明瞭な紅斑や角化性病変で自覚症状はありません。普通の湿疹と似ているため見過ごされることが多い疾患です。単発でなく数カ所同時に発症していることもあります。

 外科的切除も一つの治療ですが、大きいものや数カ所ある場合は凍結療法や抗悪性腫瘍薬外用で治療します。一度発症したことのある人は定期的な受診を勧めます。年齢がいけばいくほど遮光が大切です。

2025.02.12

スギ花粉皮膚炎・・・遅発型接触アレルギー

スギ花粉皮膚炎・・・遅発型接触アレルギー

 花粉が飛散する時期に顔や首など露出している皮膚に赤いかぶれが出るのは花粉皮膚炎かもしれません。花粉アレルギーで起こる皮膚症状で、スギ花粉によるものが皮膚炎でも一番多く春先に発症します。花粉症といえば、鼻水・鼻づまりなどの鼻症状、眼の充血・かゆみなどの眼症状のほかに全身症状として喉、耳、気管支、消化器などにも症状が出ます。

 花粉皮膚炎はこれらの症状と同じくアレルギー症状なのですがアレルギーの種類が違っています。遅発型の接触アレルギーで金属かぶれなどと同じ機序で発症します。鼻炎などの症状は花粉が付着するとすぐに発症(即時型)しますが、皮膚炎の場合は皮膚に付着して2日目、3日目と経過してから症状が強くなってきます。

 花粉皮膚炎の特徴は赤く腫れる皮疹が顔、眼の周り、首などに発症します。花粉をはらい落とす、洗い落とす、化粧や保湿剤で直接皮膚に触れないようにするといった対策が必要です。

2025.01.14

基底細胞癌・・・高齢者の顔に好発

基底細胞癌・・・高齢者の顔に好発

 頻度の高い皮膚癌です。紫外線などが誘因となり、高齢者の顔面、特に正中部に好発します。黒い腫瘍で進行が進むと中央は潰瘍化することがあります。その周囲に灰黒色の小結節がふちどるように配列するようになります。

 初期では一見するとホクロと区別がつきません。高齢者でのホクロ(色素性母斑)の新生はほぼないので、50歳を超えてから新たに生じた黒いホクロ様の皮疹は要注意です。

 脂漏性角化症というイボであることが一番多いのですが、基底細胞癌であることも決して少なくありません。癌でありどんどん大きく深く増殖していきますが、多臓器に転移することは稀で、生命予後は良好です。

 治療は外科的切除です。眼瞼部にも好発しますので早めの診断と治療が必要になります。

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