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月刊ササセCOLUMN
ササセ皮フ科
院長 笹瀬 晃弘
2024.04.16
脂漏性皮膚炎
日常よく遭遇する皮膚疾患の一つで、思春期以降のほか乳幼児に好発します。
皮脂中のトリグリセライドがマラセチアなどの皮膚常在菌によって分解され、分解産物である遊離脂肪酸が皮膚に刺激を加えることによって発症すると考えられています。頭や顔、腋窩などの皮脂分泌の活発な部位に。黄色調の鱗屑を伴う紅色局面が典型的な湿疹として生じます。ストレスや不摂生な生活も過剰な皮脂分泌を引き起こし増悪因子となっています。
まずは石鹸、シャンプーを使った適切なスキンケアが大切です。ステロイド外用の他に抗真菌剤の外用も有効です。治りにくい頭部の症状には、最近出たステロイド入りのシャンプー外用薬が奏功しています。
2024.03.11
巻き爪と陥入爪
巻き爪は単に爪が巻いている状態のことで、必ずしも痛みを伴うものではありません。痛みは爪が周囲の皮膚に食い込んで生じます。この状態は陥入爪と呼ばれ巻き爪とは別物です。もちろん巻き爪から皮膚に食い込むこともあり、その時は巻き爪が原因の陥入爪ということになります。
陥入爪は足の親指に好発しますが、巻き爪よりも他の原因でなることが多いです。10代の若者に多く、爪の両端を深く切りすぎること(深爪)や感染、外傷などで生じます。
巻き爪は高齢者や外反母趾の人に生じやすい爪変形です。足の親指に体重がかからない歩き方、爪の伸ばしすぎで生じてきます。足の親指は特に正しい爪の切り方などのケアが必要です。
2024.02.13
ホクロ除去 切開かレーザーか
一般的にホクロと言われるものの多くは色素性母斑と言われる良性の皮膚腫瘍です。ほとんどのものは生まれた時にはなく生きていくうちに自然に発生してきます。日光は発生には関係なく体質としか言えません。年齢に関係なく大きくなり隆起してくるものもあります。このように増殖能力があるのが特徴です。
切開で取る場合、傷はホクロの直径の3倍くらいの長さの線になります。レーザーで取る場合、傷はコンパクトですが再発してくる可能性が大いにあります。
一般的にレーザーの方が簡単にきれいに治るというイメージがあるようですが、切開と同じく局所麻酔は必要で傷が治るのに、より時間がかかることが多いです。大きさ、部位、性状を考慮して切開かレーザーか決めます。長所と短所をしっかり理解してから施術を受けましょう。
2024.01.05
老人性紫斑
手背、前腕伸側、下腿伸側に生じる紫斑(内出血)で、加齢が原因です。加齢変化により皮膚は薄くなり血管支持組織が脆弱になり、本人が自覚しない程度の刺激によっても容易に紫斑を形成します。境界明瞭な皮下出血で最初は赤みがありますが、徐々に紫から黒色に変化していきます。
特に治療はなく必要もありません。長期のステロイド内服や外用でも同様の症状が現れることがあります。
紫斑で注意しないといけないのは、特発性やクリオグロブリン血症などでみられる血小板減少を伴うもので、脳出血や糸球体腎炎などを生じることがあります。